HOUSE
反復したデザインを建物内外に踏襲した住宅
RHYTHM
2022.05
- 所在地沖縄県浦添市
- 階数地上1階
- 床面積123.40㎡
CONCEPTコンセプト
閑静な住宅街に以前より中古住宅を購入し居住していた。
既に幾度かの改装工事にて手を加えていたこと、そして子供の成長に伴い更なる変更が必要であったことから、この度新築が良いとの判断で建替えの計画がスタートした。
西側には地域の食品スーパーの第二駐車場があり不特定多数の人が目にすることに加えて、西日を考慮して無開口の壁とすることとした。東側には隣地住宅が近接してあることから子供部屋はその壁と面する西側に配置。壁で西日を遮りつつ東側からの反射光により明るい部屋となった。また室外機の目隠しとしての役割もその壁は果たす。
この建物の最大の特徴である壁から迫り出すように仕上げを連続しながら軒裏が真正面からも見える形状は、道路側に位置する主寝室の空調の室外機を隠すことを目的としたカタチ。雑多な印象を受ける設備配管や設備機器を極力外部より目に付きづらいように計画する機能性とデザインを両立させた。
内装はナチュラルなオークの床にグレーや黒のアクセントが印象的な落ち着きのある上品な空間となった。カチッとした印象を和らげるようにタイルや天井貼、そして建具でリズミカルな馬張り(馬目地)を採用。施主の好みの配色やパータンのある塗壁を用いることでも柔らかな印象をプラスすることで寛ぎをもたらす。外部にも普通型枠の厚みを変えて半分ずらしで貼った馬張りを踏襲することで内外でのデザインの一貫性を感じる建物となった。
PHOTO GALLERY
Facade南東側外観
建物正面 真正面から軒裏が見えるのが特徴のファサード。厚みの違う型枠を用いて馬貼りとした。
Facade東側外観
壁から迫り出しように感じる形状は空調室外機を隠すための機能性を兼ねたデザイン。
LDK
玄関側よりLDKを見る。長手方向に馬貼りされた天井の木板貼りとフローリングの貼方向で奥行きを感じる。
LDK
ダイニングより中庭方向を見る。リビングと雁行しているが一体感を感じるレイアウト。
LDK
テレビボード後ろの壁はパターンのある塗壁を採用。質感も楽しめる。
LDK
中庭に面した大開口にて充分な採光・通風を得る。
LDK
廊下側よりLDKを見る。勾配天井のLDKは面積以上の広さを感じさせる。
LDK
キッチン横にダイニングテーブルを設けるレイアウトを強調するように水平方向に目線が行くよう家具・タイルを設けている。
Indoor drying area
室内干しが出来るスペース。天井にトップライト、そして掃出しを設けて通風も考慮している。
WCL
家事動線を考慮して室内物干しに隣接したウォークインクローゼット。
Hallway
暗くなりがちな廊下に光をもたらす框扉。ガラスの割付を馬張りのようにレイアウトしている。
Washroom
トップライトより自然光を得る明るい洗面室。ニッチを設ける等雑多にならないように収納も確保している。
Rest room
掃除のし易さで腰壁はタイル貼りとした。六角形のタイルを採用し動きのある張り方が特徴的。
Children's room
それぞれの部屋のアクセントとして子供達の好きな色を塗装している。
Bedroom
打合せ時よりベッドのレイアウトも定めてホテルライクな寝室とした。
LDK
照明配置と照明器具選定により落着きのある空間となっている。
LDK
キッチン上部と収納下部の間接照明が水平方向を強調している。
LDK
照明計画によって昼間とは違う表情を楽しめるLDK。
Bedroom
ベッドヘッドには照明のスイッチとコンセントを設けて実用性を考慮。
撮影:井田佳明