HOUSE
奥に細長い敷地に建つ住宅
GRAYSE
2020.04
- 所在地沖縄県豊見城市
- 階数地上1階
- 床面積107.43㎡
CONCEPTコンセプト
市街化調整区域内の自己所有の緩和区域に位置し、間口と奥行方向に傾斜状の高低差がある宅地分譲された一画が計画地である。
幾つかに区画された為間口は10m程で奥行きが39m弱と細長い形状をしていた。その特徴的な奥行と隣地建物が不明な点を考慮して中庭等の外部空間を機能的に用いて通風・採光を得るように平面計画を進めた。
玄関を開けるとまず目に入るのが鉢植えした樹木がある坪庭。暗くなりがちな玄関に光と安らぎを感じさせる。坪庭は浴室にも隣接しており目を楽しませ、同時に通風を確保する。廊下の先は40cmほど床高が上がったダイニングがある。室内に段差がある空間は施主の希望。ただ床高を上げるだけでなくダイニングとそれに続く学習コーナーの椅子として床を利用出来るような高さとなっている。下がったリビングとダイニングとの間には造作のソファーを設置し2.8mの天井高と斜めに施工した床材が広さを感じさせる。対面する2面には中庭とテラス。視線を感じさせないよう隣地に面さない方向に設けた大開口が心地よい。キッチンもリビング同様ダイニングより床を下げウォークインクロゼット・廊下等と同じ床レベルとし必要以上の昇降を無くした。室内干しを基本とする生活だが外干しの際は廊下を出たすぐの中庭を予定している。
地盤面は各敷地の宅盤レベルの設定がないこと、そして開発行為における土地形状変更の許容範囲を考慮し現状地盤の高いレベルに合わせ道路面より2.4m上がった位置とした。建物のボリューム感を抑える為、一部を持ち出す構造とすることで浮遊感を感じさせ、高さを変えた壁にグレーの濃淡が印象的なファサードとなるようデザインした。
PHOTO GALLERY
Facade西側外観
一部を持ち出す構造とすることで浮遊感を感じさせ、高さを変えた壁にグレーの濃淡が印象的なファサードとなるようデザインした。
Entrance玄関
玄関を開けると目に映る鉢植えした樹木がある坪庭。
Inner garden坪庭
坪庭の植栽は鉢植えとしてメンテナンス等を考慮した。
Hallway廊下
廊下の先のダイニングに椅子等を置いて目を引く演出。
Bathroom寝室
坪庭は通風・採光そして癒しをもたらす。
WCLウォークインクローゼット
家族全員分のクローゼット。洗濯機置場も設け家事室を兼ねている。
Bedroom主寝室
購入するベッドのサイズに合わせたニッチを設けた。
Dining kitchenダイニングキッチン
ダイニング・キッチンを見る。椅子として床段差を利用した。
LDKLDK
グレーを用いたインテリアが特徴的なLDK。
Livingリビング
造作ソファーの左右には中庭とテラス。視線を感じさせないよう隣地に面さない方向に設けた大開口が心地よい。
Study space学習スペース
親子で共に利用できる長さのカウンター。子供部屋前の廊下床を椅子として利用。
Livingリビング
リビングより中庭を見る。出窓のような空間はベンチやデイベッドとして利用。
Livingリビング
下がったリビングとダイニングとの間には造作のソファーを設置し2.8mの天井高と斜めに施工した床材が広さを感じさせる。
Court中庭
リビングと主寝室の間に設けた中庭。
LDKLDK
整列された照明計画。リビングにはグレアを抑えた器具を用いて空間を演出している。
Dining kitchenダイニングキッチン
ダイニング横の壁上部にある照明は玄関側でもスイッチの入切をできるようにした。
Dining kitchenダイニングキッチン
ダイニング上部のペンダントは部屋の雰囲気に合わせた施主の支給品。
Dining kitchenダイニングキッチン
キッチン上部と学習コーナーは照明の色温度を変えて機能性を重視した。
Court中庭
ライトアップされたシンボルツリーが目を引く。
Facade nightscape西側外観 夜景
間接照明が浮遊感を増幅させる。
撮影:井田佳明