HOUSE
敷地形状に呼応した多角形のコートハウス
Polygon House
2020.04
- 所在地沖縄県那覇市
- 階数地上1階
- 床面積109.82㎡
CONCEPTコンセプト
場所は沖縄県の那覇市。近隣には伝統工芸である壺屋焼などの焼き物通りがあり、本敷地はそうした落ち着きがあるものの沖縄でも珍しいかなり密集した住宅地である。
敷地には2階建ての実家があった。古くて使い勝手が悪くリノベーションするにしても駆体コンディションが悪い。そうした流れで建て直ししようとした時、クライアントからの要望は自然と使い勝手が良い平家を希望。そして人通りの多く、密集している事からプライバシーの確保の要望が大きかった。
設計する立場としては古い歴史を持つ地域柄から外観デザインをどうするか?という課題が投げかけられたような気がした。とは言えプランを始めると隣地の土地との計画地レベル差が大きく建物をセットバックさせないといけないため敷地いっぱいに使えない。使える部分が大きくない事がすぐわかる。平家の面積を確保するのも難しい。使える面積を最大限にしようとすると、自然と道路に面する境界線や隣地境界線を平行移動し、室内面積を最大限残るように外壁ラインを決めた。
そうして計画した外観は敷地形状と似た多角形(ポリゴン)の家となった。歴史のある場所で、この多角形の外観は正面があるような無いような、不思議な距離感と調和を近隣と持つ家となっている。
外壁面はできるだけ開口部を設けず、室内LDKの位置を決めた。LDKに連続するようにテラスを設けるが外壁はそのままテラスを覆う形となっている。こうした囲まれたテラスはLDKに安心感を与えつつ、沖縄的な縁側のような半戸外な場所となり光と風を取り入れる。平家なので必要な光と風はテラスやトップライトなど空から取りれた。訪れる人からは室内の明るさは驚きを与えるようだった。
こうして出来上がった住宅がクライアントの生活を支え、そして近隣にも馴染み、長く建ち続けてくれることを願う
PHOTO GALLERY
Facade南側外観
道路側より建物外観を見る。多角形の設計のため正面がわかりにくく、周辺に馴染むように検討。
Facade西側外観
道路側より建物外観をみる。道路勾配に対し建物を半埋め込みにしていることがわかる。
Facade外観
駐車場よりエントランスを見る。木目ドアは住宅のメイン入り口。もう一個の出入り口は趣味室への入り口となっている。趣味室はドアをあけると階段となっておりFLより1400スキップしている。小さなドアは趣味室下に設けた倉庫の外部出入り口。
LDK
LDKを見る。玄関を抜けると解放的なリビング。天井高さは3mとなっている。
LDK
リビング側よりキッチン、ダイニングをみる。右側壁面に上下に開口があるが上はスキップした趣味室の下は床下倉庫となっている。
LDK
リビングテラスを見る。外壁に覆われたコートハウスより住宅密集地でありながら安心して大開口を開けることが出来る。
LDK
ダイニング、リビング、キッチン、テラスと続く。
Terraceテラス
リビングよりテラスをみる。一部FIXにすることですっきりとした印象に仕上げた。
Terraceテラス
テラスを包みこむように壁を設けている。
Den趣味室
趣味室は塗料も使うため無骨に仕上げている。開口部は匂い対策で二重となっており、開けるとリビングと会話が出来る。
LDK趣味室よりLDKを見下ろす。
BedRoom寝室
寝室。収納の一部にワークスペースを設けている。奥はウォークインクローゼット
Kids Room子供部屋
明るい色を指し色にした子供部屋。将来二室に仕切れるようにまどや光の計画をしている。
LDK
LDKの夜の雰囲気。間接照明をつかいながら暖かな雰囲気をつくりだしている。
LDK
LDKの夜の雰囲気。キッチン天井側面のシートは貼り幅をかえてオリジナルにしている。
LDK
LDKの夜の雰囲気。キッチンからテーブルへと連続させることで配膳などもスムーズな配置としている。
Facade南側外観(夜景)
道路側より建物外観を見る。照明がはいると多角形の外観が際立つ。
Facade南側外観(夜景)
道路側より建物外観を見る。植物の影が外壁にあたり印象的になる。
撮影:井田佳明