HOUSE
機能的な回遊動線の家
メクリイエ
2018.03
- 所在地沖縄県浦添市
- 階数地上1階
- 床面積103.20 ㎡
CONCEPTコンセプト
公園に程近く静かな住環境の地域にある投資物件として元来所有していた建物の建替えで住宅を希望された。
建築主は人を招く機会が多いことから駐車場の確保と機能的な間取りの平屋を希望された。
敷地面積から諸機能の必要面積を逆算した場合、外部空間が潤沢に設けられないことから何処に開くかがポイントであった。幸い隣家が実家であり南向きだったことから互いの庭を隣合せにする事で大きな空地が生まれ光と風を取り込みやすく、かつ、それらが緩衝帯となり適度な距離感をもたらすと考えた。
その庭を囲むようにLDKと和室を配し人が集う空間の居住性を確保。LDKは大開口と天井高を上げることで設けた高い位置の窓で明るく、時間ごとに光の差し込む位置が異なる楽しみもある。キッチンと趣味であるDJブースの設置場所は幾度も検討を重ね、各々壁付けの配置とした。壁付けにより視線が通ることで一層LDKの広さを感じさせる。
脱衣室に入口を二か所設けたことで回遊できる間取りとした。それにより家事動線と生活動線がスムーズとなり機能的に。パブリックゾーン以外はタイル貼の床として掃除しやすく階高を抑えて計画し、人が集うLDKは他の床より40㎝ほど高い位置とした。その段差はベンチ、収納として利用。タイルとフローリングの対比でLDKの寛ぎ感を増した。
前面道路に面した西側には水廻りがあり、その目隠しとして杉型枠打放ちを採用した。プライバシーを確保しつつ光を得るハイサイドの窓と杉板の模様が、壁からメクリ出たかのような庇の浮遊感と迫力を助長したファサードとなった。
PHOTO GALLERY
Facade西側外観
建物正面 杉型枠の打放ちを採用。壁からめくられたような庇が特徴的なデザイン。
Facade南西側外観
メクリ出た先端と基端の高さを変えて一層の跳ね出しを感じさせるようにした。
Facade南東側外観
庭より室内を見る。お互いの庭が隣り合うように計画し大きな空地を得る
Entrance玄関
外観の杉型枠が連動した玄関。
Hallway廊下
トップライトで明るい廊下。段差を上がるとLDKが広がる。
LDK
廊下側からLDKを見る。高天井と大開口とで広さを感じさせる。
LDK
キッチン側からLDKを見る。この家の特徴的な段差をベンチ、収納として活用している。天井高さと床高の違いで各々の場所で異なる雰囲気を感じることが出来る。
Japanese-style room和室
リビングに面した和室。塗壁と吊収納の扉の模様を揃えた。
Bedroom寝室
廊下に面したガラスブロックより柔らかい光が入る。隣家が近いことから外壁面にはハイサイドに窓を設け光を取り込む。
Rest roomトイレ
ハイサイドと中庭からの光で明るいトイレ。杉型枠の外部との連動性を感じる。
WCLウォークインクローゼット
充分な収納量があるクローゼット。天井材には調湿効果のある仕上材を利用している。
Dressing room脱衣室
回遊動線のキーである脱衣室。二面の入口が機能性をもたらす。
Shower roomシャワー室
坪庭とトップライトで明るいシャワー室。正面の壁は外壁と連動性を持たせ杉の表情を楽しむ。
LDK
高天井によるハイサイド窓が印象的なリビング。特徴である天井高床高の違いを感じるアングル。
LDK
キッチンは壁付けとしたことで視線が通り広々と感じる。中心に位置するダイニングが家族のコミュニケーションの場となっている。
撮影:石橋マサヒロ