HOUSE
光の表情を楽しむ家
ヒカリイエ
2017.04
- 所在地沖縄県宜野湾市
- 階数地上1階
- 床面積109.39㎡
CONCEPTコンセプト
閑静な住宅街にある計画地は南側隣地より1m程下がっており見下ろされるような感がある土地で、東側には住宅が近接している。北側の前面道路と西側には空地があるが駐車場予定の空地であり周囲からの視線を考慮する必要性があった。建築主の要望はその状況下での居住性の確保と、普段から留守番の際に屋外を眺めながら飼い主の帰りを待つ愛犬の暮らしを維持することであった。また計画当初より設置したソファーが決まっていたことから、それらを融合した提案を求められた。居住性の確保は南側に中庭を設け、それを囲むようにLDK、寝室、子供部屋を配置した。
一方には目隠し壁を設け四方囲まれた中庭からは視線や周辺環境を感じることなく十分な光と通風を得る。また適所に坪庭を設け中庭と同様な効果を期待し、暗くなりがちな箇所にはトップライトを計画し自然光を取り入れる工夫とした。その自然光は黒革とウォールナットのソファーを基調とするインテリアの仕上材として選定した塗壁調の塗装や石貼を照らし表情を与え、夜は間接照明を用いることで光を楽しむ空間演出を図った。外から見える横スリットの窓は外を見ながら過ごす愛犬の為。靴箱・シューズクロークの下部に設け日常生活において視線が気にならない高さになっており愛犬の目線で計画したもの。前面道路に対して平行に大きく架けた梁、杉型枠打放ちとの相乗作用で水平方向を強調するファサードデザインとした。
近隣学校の生徒が時頼窓越しにワンちゃんを愛でる姿を見る。不在時にはワンちゃんのぬいぐるみが置かれておりそれもまた愛らしい。住み手だけでなく地域とも繋がることができた建築となった。
PHOTO GALLERY
Facade
建物正面 水平方向が強調されたデザインとなるよう、他の壁のテクスチャーを変えた。
Facade
迫り出したフレームが良く分るアングル。建蔽率の兼合いから天井スラブが無いことも特徴。
Facade
コンクリート杉型枠部分の横スリット窓は愛犬が留守番の時に外を眺めれるように計画。
Parking
駐車場は一部屋根を設けて濡れずに玄関に行けるように計画。
Entrance玄関
靴箱下に見える地窓はファサードの横スリット窓。床上の高さの為視線が気にならない愛犬目線に合せた。
LDK
中庭方向からLDKを見る。トップライトに照らされた天然石が印象的。
LDK
キッチン方向よりリビングを見る。正面には施主の好きな色に塗られたアクセントTV裏壁、右手には中庭が見える。
LDK
中庭方向を見る。計画当初より設置希望のソファーを中心としたインテリア計画をしたリビングは中庭より十分な通風・採光を得る。
Washroom洗面室
造作した洗面化粧台。水濡れ対策にアクセントも兼ねたモザイクタイルに間接照明による演出効果。
Bathroom浴室
大判タイルを用い、坪庭を隣接させた明るい浴室。
Rest roomトイレ
トップライトで明るいトイレ。収納にはスティックアロマを置く開口を設けるなど造作ならではの工夫も。
Entrance
アッパーライトを用いてアクセント壁を強調したアプローチ。
Facade nightscape玄関
器具を直接目に入りずらい位置として計画した照明計画。杉型枠の陰影が楽しめる。
撮影:石橋マサヒロ