CONCEPTコンセプト
沖縄県石垣島。年中観光客が訪れ、夜は地元客でにぎわうこの島の繁華街にあるのが、「石垣牛と海鮮の店 こてっぺん」である。
クライアントは地産地消に取り組む地元企業で、地元客のニーズも取り入れつつ観光客にも訴求するデザインをリクエストされた。
観光客にわかりやすい抽象的なデザインを求められる時、さまざまなコンテンツの中からキーワードを抽出し、デザインの要素に加える作業を行うことが多い。今回、デザインのキーワードとして掲げたのは、石垣島で琉球王朝時代から継承されている織物“八重山ミンサー織”。
1階円卓ブースの間仕切りやオブジェには、ミンサー文様のオリジナルグラフィックを採用。同時に、レイアウトを工夫することで、空間に動きを与え、お客様が沖縄の伝統を意識しつつ、かつ現代的に感じられることを意図した。そのグラフィックは、2階の格子パーティションにもリンクしている。
ファサードは、単に木板を傾けて配置しているように見せて、その角度や照明位置、下地などすべてを計算しつくしたもの。木板の配置のみでインパクトを持たせ、鮮やかなグラデーションを織り成している。また、店舗正面からエントランスを見た際に、ファサードがつくり出す色味に、ブース席の伝統文様のグラフィックがより映えることを意図した。
PHOTO
GALLERY
Façade
ファサードは、木板の配置のみでインパクトを持たせ、鮮やかなグラデーションを織り成している
Façade
ファサードがつくり出す色味に、ブース席の伝統文様のグラフィックがより映えることを意図している
design
オブジェには、ミンサー文様のオリジナルグラフィックを採用。同時に、レイアウトを工夫することで、空間に動きを与えている
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ホール全体をみる。円形の半個室空間に高低差をつけてレイアウトを工夫している
Interior
ペンダントのシェードも客席に合わせたオリジナルグラフィック
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団体席に対応した二階席をみる
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抜け感のある障子デザイン
Interior
赤をポイントカラーに構成した座敷スペース
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八重山ミンサー織をイメージした暖簾で仕切られた団体席
撮影:石橋マサヒロ